絵本とは?
絵本といっても 本当の絵本とは一体何なのかを考えてみたいと想います。
当たり前ですが絵本は絵とお話から成り立っています。
しかし絵本は 絵が先に目につくので絵の本みたいです。
絵が100%でお話はそれに ちよっと付いている程度でせいぜい10%くらいのものとしか見えません。絵が50% お話が50%でもおかしいです。本当は絵が100% お話が100%が理想です。というより100+100で200%でなくてはいけないのです。
絵本の場合 絵はお話を助けますが お話は絵を助けてはくれません。
いい絵がついていれば たいして面白くないお話でもなんとか形になるものです。しかし どんなにすばらしいお話であっても絵がひどかったらその絵本は目もあてられません。本というのは まず表紙が目にとまりその表紙の絵を見ただけでだいたいの内容のイメージを作ってしまいます。
ぱらぱらと本を開けば絵はすぐに分かりますが お話はぱらぱらみただけでは分かりません。
そこで読んでみたくなるような絵がものを言うわけです。絵というのは上手ならいいというものでもありません。上手に超したことはありませんが 絵がうまくても品性がなくては困ります。絵が上手でなくても上品でセンスがあり心地の良い絵なら絵本は良いのです。
ところが やっかいなことに、その品性と心地良さはどうも人
によって違うのです。ぼくが「こんなひどい絵でよく絵本として印刷するなあ」と思っても それはぼくだけの考えで 人それぞれなんだのだからいろいろと違っても良いのではないかということで収まってしまいます、これがぼくには理解出来ないのです。ものには限度というものがあります。
あまりにもひどい絵が何の疑問ももたれずに 平気で市民権を得ている現状はやはりおかしい なにが良いのかなにが悪いのかが分からなくなってしまっているのです。ぼくは絶対に認める訳にはいきません。
松下幸之助さんが「お客様は常に正しい」といっていました。大衆は正しいのだと、しかし、これは企業の考えです。商品を売るということではそれは大衆が良いというものでなくては買ってもらえません。
しかし、芸術家が「お客様は常に正しい」なんていったらどうでしょう。作品を売るために作ることになり、媚びた誰もが気に入るつまらない作品になってしまいます。今はそうなってしまっているのです。そのことにだれも疑問をもたずに「売れているから良いんだ」と思っているのです。それが 編集者、美術評論家、作家までがです。
出版社は仕方がないでしょう。企業ですから売れなくては会社がなりたちません。
作家も考えなくてはなりません。売れる絵本と芸術作品としての絵本をです。
自分が作りたいのは何か?をです。
それでも編集者は売れる作品をつくらねばなりません。
売れる絵本=これも作家は挑戦すべきです。読者には何が好まれ、何に惹かれるのか?研究の余地があります。しかし、これが容易く分かれば全て売れるということです。そんな方程式があるのか?これも興味のあるところです。時代、流行、その先取り、と計算してみて計算どおりにいくのかいかないのか?
絵本の絵について
こどもに人気があるからという理由で へたくそな絵が承認されていたりします。こどもの絵本だからこどもが喜べばよいではないかという訳です。
それはおかしいと思います。大人はなにしてるのだ!ということになります。こどもだましの絵を描いて平気でいる大人の絵描きたちは楽をして絵を描いているのです。絵に凄さがない。かつて講談社の絵本などで育ち美術を学んだ者としては絵本の絵も美術だと思うのです。
講談社の絵本などは日本画の大家とよばれる巨匠が筆をふるったものです。ぼくなどはその絵をみて凄い 大人は凄い いつか自分も大人になったらこのような絵が描けるのだろうかと想いを遣ったものです。ところが最近の絵本の絵の中には こどもの描いたようなへたくそで品もセンスものない絵が平気でまかり通っています。「へたうま」なんていう都合の良い名前をつけて それが絵本の絵の主流のようになっていますが こんな絵をいつから許すようになってしまったのでしょう。
「悪貨は良貨を駆逐する」の例えのように悪い絵が良い絵を駆逐しているとしか思えません。
いつのまにか当たり前になってしまっているへたうまな絵を誰もおかしいと思わないのは こどもを軽く見ているのか媚びているのか 良い絵と悪い絵の区別が出来ないということなのでしょう?何が良いのか分からない。
ぼくといたしましては絵本の絵も絵である以上 美術であり芸術であるべきと考えます。ようするに絵のプロが絵を描くべきなのです。素人でも描けるような絵を描いて印刷すべきではないと思います。印刷だってお金がかかるのです。時々
ではないと思います。印刷だってお金がかかるのです。
時々 ぼくは自費で本を作ったりするのが趣味なのですが すごくお金がかかります。ですから へたな絵が印刷されて本になっているのを見ると無性に腹が立つのです。
絵本の絵を描く人は美術史を少しは学んでいるのでしょうか?ルネッサンスから近代絵画まで少しでも学べばこどもの絵本だからといって手は抜けないはずです。それよりこどもだからこそ本物の絵を示すべきなのです。大人の凄さをこどもに見せつけてやるべきなのです。
こどもが簡単に真似できてしまうような絵では大人としていったい何を学んだのか恥ずかしいではありませんか。
画家は悩み苦悩の末に自分の絵を作り上げていくものです。悩みもせず 楽しんで あまり考えもしないで時間も描けずに描いた絵などこどもの目の前にかがさないで欲しいのです。子供や素人の方は 印刷されたものは良いから印刷されて本になっていると思うでしょう。印刷され本になっっているからといって 良い本とは限らないのです。